介助のコツは安心感

介護の仕事は、単に利用者の方が食事や入浴などを行えるよう助けるだけではありません。精神的なサポートも非常に重要な要素となるのです。高齢者の方は体が思うようにならないため、不安感を抱えながら介護ケアを受けていることが多いです。そのため、安心感を与えることを意識して介助をしていく必要があります。

その意識を持つことを前提に、丁寧に声がけをすることはとても重要です。まず、利用者の方の部屋に入ったり、介助を始めたりする前に挨拶をして、今から何をするかを伝えます。無言でいきなり動かれるとびっくりしますので、心の準備をさせるわけです。そして、相手の体に触る時にも声をかけるようにします。体を浮かせたり違う方向に向かせたりする時には、痛みがないかや窮屈でないかなどを尋ねながらするのもポイントです。痛みがあっても言えない方もいますので、質問されることで安心して話せるからです。

声かけをする際には、相手の顔を見る、少なくても自分の顔を利用者の方の方に向けて話すようにします。そうすることで、自分に向けて話しているのが分かり安心感を持てます。介護をする側としても、声をかけた時の反応を表情やうなづき方、しぐさなどを見て感じ取ることができます。言語障害がある場合などでも、やはり何らかの反応が体のどこかに出るものですので、それを読み取るのもプロとして意識したいところです。このように、たとえ相手が言葉に出してしゃべれない状況であっても、声がけをしたり反応を見たりとコミュニケーションを取ることに努めるなら、安心感を与えやすいのです。